下地の施工が完了し、内装工事を行います。天井と壁は主に塗装と漆喰で仕上げます。
塗装はコスト削減のため、職人の協力を得て可能な範囲で施主施行をしました。
まずは「下地処理」を行います。
下地を施工した際に出来る石膏ボードのジョイント(継ぎ目)、石膏ボードを打ち付けるビス穴を平らに仕上げていきます。塗装膜厚は非常に薄いため、何もせず塗装をするとそれらの跡がそのまま表れてしまいます。
複数の下地を一枚の「平らな壁」にする為の塗装において重要な工程となります。
まずパテ処理 を行います。下地のくぼみ、ビス穴、ジョイント部分にペースト状のパテ材を充填していきます。
全てのビス穴を埋めていく、非常に手間と時間が掛かる作業です。
ボードのジョイント(継ぎ目)には寒冷紗(かんれいしゃ)という布テープを張り、その上からパテを充填することで塗装の割れを防ぎます。
壁の出隅は物をぶつけたりする事が多くなる場所なので補強用のコーナー材を張っていきます。
パテは乾燥とパテ付けを繰り返し、ある程度平滑になったら目の細かいサンドペーパーでさらに仕上げます。
出隅やジョイントの処理は仕上がりに大きく左右されるので全て職人に施工して頂きました。
これで下処理が完了。ここまでの工程は非常に手間がかかる為、2階は壁面の石膏ボードのジョイントのパテは行わず、そのままオープンジョイントとすることでコスト削減(材料費+施工費)をしました。
その後、床や建具枠、サッシ等塗装しない箇所に養生を行います。出来るだけコンセントやスイッチのカバーを取り付ける前に塗装を行うことで養生の手間を軽減させます。
ここまできてようやく塗装に掛かる事が出来ます。養生は仕上がりに大きく影響するので職人にお願いしました。養生は、貼り方が甘いと塗装が漏れたり浸み込んだりすることで仕上がりが汚くなってしまうので経験と知識が必要な作業になります。
塗装をDIYで行う場合は、下処理(パテ、養生)にできるだけ時間と手間をかけることで綺麗な仕上がりになります。
ローラーで塗っていきます。気泡や色むらを防ぐため、厚く塗りすぎないようにします。
窓枠の脇等の狭い部分は刷毛で塗り、仕上げに小さいローラーを掛けます。そうすることで全体的にローラー掛けと同じ表情の仕上がりになります。
今回は2度塗りで綺麗に仕上がりましたが、色味や材料によってはさらにもう1~2回上塗りをすることがあります。また、下地がベニヤの場合などは、塗装後に灰汁が出ることがあるので、仕上げ材を塗る前に下塗り材(シーラー)を入れます。
2階は前述のオープンジョイントとし、コスト削減をしつつ等間隔にスリットが入ることでデザイン性を損なわないように配慮しました。
1Fはボードの継ぎ目を無くし、シームレスな空間に仕上げました。
塗装仕上げはDIYでも人気の仕上げですが、下処理にとても時間と手間が掛かりクロス工事よりも割高になります。仕上がりを逆算し、職人による工程とDIYの工程を分けることで費用を抑える事が出来ます。
乾燥収縮や地震・台風等の外圧を受けることでボード等の下地材が影響を受け、割れや裂けが発生することがあります。塗装仕上げはこのような場合でも破損部分にパテ処理をし、再塗装することで比較的容易に補修することが出来ます。
クロス仕上げは施工性が高く色柄が豊富なので近年の住宅で多く採用されています。
それぞれの特徴やコスト、またメリットデメリットを把握することで納得のいく内装仕上げを選定することが重要だと考えます。